千円今昔 1000Yen


E千円券(平成16年/2004) 野口英世

D千円券(昭和59年/1984) 夏目漱石

C千円券(昭和38年 / 1963) 伊藤博文

B千円券(昭和25年 / 1950) 聖徳太子

甲号 千圓券(昭和17年 / 1942) 日本武尊
※使用開始は昭和20年/1945

 我が国に「千円札」が誕生して70年になります。今でこそ、子どもの小遣い程度の金額になってしまった千円ですが、甲号千圓券が計画・製造された戦前ではとんでもない超高額券でした。そのため、戦時中だったにもかかわらず、その価値に見合うように巨大な用紙に豪華絢爛な印刷が施されました。
 敗戦後のハイパーインフレと新円切替により、甲号 千圓券はたった半年で廃止され姿を消しました。昭和25年にB券が発行されましたが、印刷技術の水準はそれほど高いものではなかったため、昭和30年代に偽札事件を惹起することになりました。C券は「 #福沢諭吉 」の肖像彫刻で有名な印刷局技芸官、押切勝造が伊藤博文の肖像彫刻を手掛け、上質な用紙に凹版印刷・平版印刷による多色刷りを施した非常に美しい券となりました。
 昭和50年代に入り、カラーコピー機の普及による偽造防止と、自動販売機など機械による紙幣の取り扱いをしやすくするためD券が発行されました。カラーコピーしても色合いが正しく再現できずおかしな色になってしまう技術や、肉眼では見えませんが、磁気を帯びたインクが使用されており、特殊な装置で検知できるようになっています。
 21世紀となると、一般家庭にも高性能なパソコンやイメージスキャナが普及し、普通の市民が気軽に通貨偽造犯罪に手を染めてしまう「カジュアルコピー」が問題となったため、既存の防止技術に加えて、オムロンリング、潜像、深凹版印刷といった最新の偽造防止技術を搭載したE券が発行されました。

 このように、70年間の間にその時々の社会情勢・経済情勢に応じて、千円札は改良を重ねてきました。E券が発行されて14年が経過しましたが、次の「F券」はどんなお札になるのか、楽しみですね。

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