C券(昭和32年 - 昭和59年)/ Series C (1957 - 1984)
日本銀行券 C 10,000円 (聖徳太子 10000円)
昭和33年12月1日発行
肖像:聖徳太子(皇族・政治家 / 574-622)
裏面:平等院鳳凰堂内の装色模様
版式:
表=凹版ザンメル2色+凸版レインボー7色
裏=凹版1色+凸版ザンメル4色
用紙=三椏100%
(昭和34年以降、合成樹脂加工による紙質強化)
銘版:大蔵省印刷局製造
※精巧な偽造券が出回っています。ご注意ください。
聖徳太子のお札
Bank of Japan (Series C) 10,000 Yen
Portrait:SHOTOKU-TAISHI (Prince Shotoku / 574-622)
Day of issue:1 Dec,1958
BEWARE OF FORGERIES!
聖徳太子の肖像
日本銀行券 C 5,000円 (聖徳太子 5,000円)
昭和32年10月1日発行
肖像:聖徳太子(皇族・政治家 / 574-622)
裏面:日本銀行本店 旧本館(東京都中央区日本橋本石町2-1-1)
版式:
表=凹版ザンメル2色+凸版レインボー3色
裏=凹版1色+凸版ザンメル4色
用紙=三椏100%
(昭和34年以降、合成樹脂加工による紙質強化)
銘版:大蔵省印刷局製造
聖徳太子のお札
Bank of Japan (Series C) 5,000 Yen
Portrait:SHOTOKU-TAISHI (Prince Shotoku / 574-622)
Back side:The Bank of Japan Head Office Old main building(Chuo-ku,Tokyo)
Day of issue:1 Oct,1957
聖徳太子の肖像(彫刻:押切勝造技芸官)
同じ聖徳太子でも、他の券種とは表情が微妙に異なる。
日本銀行券 C 1,000円 (伊藤 博文 1000円)
昭和38年11月1日発行
肖像:伊藤 博文(初代 内閣総理大臣)
裏面:日本銀行本店 旧本館(東京都中央区日本橋本石町2-1-1)
版式:
表=凹版ザンメル2色+凸版多色
裏=凹版1色+凸版レインボー多色
用紙=三椏100%
銘版:大蔵省印刷局製造
Bank of Japan (Series C) 1,000 Yen
Portrait: ITO Hirobumi (1st Prime Minister of Japan)
Back side:The Bank of Japan Head Office Old main building(Chuo-ku,Tokyo)
Day of issue:1 Nov,1963
伊藤博文
日本銀行券 C 500円 (岩倉 具視 500円)
昭和44年11月1日発行
肖像:岩倉 具視(幕末から明治期の政治家)
裏面:雁ケ腹摺山からの富士山(山梨県大月市)
版式:
表=凹版1色+凸版多色
裏=凹版1色+凸版多色
用紙=三椏100%
銘版:大蔵省印刷局製造
#岩倉具視 #富士山
Bank of Japan (Series C) 500 Yen
Portrait:IWAKURA Tomomi (Statesman / 1825-1883)
Back side: Mt.FUJI
Day of issue:1 Nov,1969
岩倉具視
桐 500円白銅貨
昭和57年4月1日 発行
Day of issue:1 Apr.,1982
「500円」が以前と比べて「大金」ではなくなり、500円紙幣が粗雑に扱われるようになって2~3年でボロボロになるようになったため、抜群の耐久性(寿命20年)を誇る硬貨で発行されるようになりました。ただ、500円という金額は日本人にとっては「小銭」でも、外国人にとっては「大金」であり偽造防止対策を講じにくいコインにしてしまって大丈夫なのか、という懸念は500円白銅貨発当初からくすぶっていました。
平成に入り、材質・大きさが酷似した韓国発行「500ウォン白銅貨(1982年6月12日発行/邦貨換算50円程度)」をグラインドカッター等で削り取り、重さを7.2gに合わせると、日本国内の自動販売機・ATMでは「正規の500円白銅貨」と認識されてしまったため、大量の変造韓国ウォン硬貨が日本国内に持ち込まれた上に、多額の金銭や商品が盗まれる被害が多発しました。
桐(きり)
500円玉のデザインでしか見たことの無い方も多いでしょうが、実はこんなに鮮やかで美しい紫の花が咲きます。(4月中旬~5月初旬。地域によって異なる)
桐の花
皆さんが思っているよりも、かなり高所に咲いています。(令和3年4月下旬撮影)
桜 100円白銅貨
昭和42年 発行
Cherry Blossoms 100 Yen, Cupronickel
Year of issue:1967
Obverse: Cherry Blossoms
Reverse: ***
さくら
桜は毎年3月下旬から4月にかけて、春の訪れとともに日本全国で一斉に花を咲かせます。可憐な外観が愛されているのはもちろんのことですが、普通の花卉であればどうしても醜くなりがちな散り際さえ、未練もなくパッと去り行くさまが潔く美しいとされ、日本国民の心を鷲掴みにしています。
Cherry Blossoms
稲穂 100円銀貨
昭和34年-41年 発行
Ear of rice 100 Yen, Silver
Year of issue:1967
Obverse: Cherry Blossoms
Reverse: ***
鳳凰 100円銀貨
昭和32年-33年 発行
Phoenix 100 Yen, Silver
Year of issue:1967
Obverse: Cherry Blossoms
Reverse: ***
菊 50円白銅貨
昭和42年 発行
桜とともに、菊も古くから日本国民に愛されている花です。後鳥羽上皇(第82代天皇 / 在位: 寿永2年-建久9年 / 1183-1198)が菊を愛したことをきっかけに菊花紋が歴代天皇に継承されてきたことから、皇室のシンボルともなっています。
Chrysanthemum 50 Yen, Cupronickel
Year of issue:1967 -
Obverse: Chrysanthemum
Reverse: ***
菊 50円ニッケル貨(穴あき)
昭和34年-41年 発行
Chrysanthemum 50 Yen, Nickel
Year of issue:1959-1966
Obverse: Chrysanthemum
Reverse: ***
一見、何が描かれているのかわかりづらいですが、直上から眺めた菊の花です。旧50円ニッケル貨と100円銀貨が見分けづらく紛らわしいとの指摘があり、穴が開けられました。(直上から眺めた菊の花だと知らない人には、何を描いているのかわからないかもしれない)
菊 50円ニッケル貨(穴無し)
昭和30年-33年 発行
Chrysanthemum 50 Yen, Nickel
Year of issue:1955-1958
Obverse: Chrysanthemum
Reverse: ***
横から見た菊の花が描かれています。
平等院鳳凰堂 10円青銅貨(ギザなし)
発行:昭和33年(1958)
Byodo-in temple 10 Yen, Bronze
Year of issue:1958
Obverse: Byodo-in temple Houou-do Hall (Uji city, Kyoto)
Reverse: ***
平等院鳳凰堂(京都府宇治市)
国宝・世界遺産
稲穂 5円黄銅貨(ゴシック体)
発行:昭和34年(1959)
Ear of rice 5 Yen, Brass
Year of issue:195
Obverse: Ear of rice
Reverse: ***
若木 1円アルミニウム貨
発行:昭和30年(1955)
Young tree 1 Yen, Aluminum
Year of issue:1955-
Obverse: Young tree
Reverse: ***
昭和39年 -
東京オリンピックを契機に、我が国最初の記念硬貨2種が発行され、その後、国家的イベント開催の折に記念硬貨が発行されるようになりました。
Since 1964
"Tokyo1964" Olympic silver coins are the first commemorative coin in Japan.
15 yen =菊
7 yen =金魚
20 yen = 松図(京都・二条城の障壁画より)
10 yen = 二ホンジカ
50 yen =弥勒菩薩像(奈良・中宮寺)
20 yen=松図(京都・二条城の障壁画より)
オイルショックなどにより、結構なスピードで物価が上昇していきます。
60 yen=梵鐘(平等院)
40 yen=アブラナとモンシロチョウ
流通している銀行券・硬貨のデザインはそのままでも、足元ではインフレによって通貨の価値がガンガン下がっていることが分かります。
D券(昭和59年 - 平成16年)/ Series D (1984 - 2004)
日本銀行券 D 10,000円 (福沢 諭吉 1次 10,000円)
昭和59年11月1日発行
肖像:福沢 諭吉(教育者・翻訳家・慶應義塾創立者 / 1835-1901)
裏面:雉(キジ / 我が国の国鳥)
版式:
表=凹版ザンメル2色+凸版レインボー多色
裏=凹版1色+凸版ザンメル多色
用紙=三椏100%
銘版:大蔵省印刷局製造・財務省印刷局製造・国立印刷局製造の3種
Bank of Japan (Series D) 10,000 Yen
Portrait:FUKUZAWA Yukichi (Author,Writer & Teacher / 1835-1901 )
Back side:Green pheasant
Day of issue:1 Nov,1984
慶応義塾創立100年記念切手
昭和33年11月8日発行(1958)
福沢諭吉像と慶應義塾図書館、シンボルのペンマークを描く。
三椏(みつまた)
枝が必ず3つに分岐することから、この名が付いた。和紙の原料として有名で、日本銀行券印刷用紙にも含まれている。(ただし、現在はネパール・中国産の輸入原料に調達先の大半を依存している、とされる)
Oriental paperbush (Mutsumata)
Raw material for printing paper for Bank of Japan notes.
日本銀行券 D 5,000円 (新渡戸 稲造 5,000円)
昭和59年11月1日発行
肖像:新渡戸 稲造(教育者・思想家・「武士道」著者 / 1862-1933)
裏面:本栖湖畔からの富士山(静岡県身延町)
版式:
表=凹版ザンメル2色+凸版レインボー多色
裏=凹版1色+凸版ザンメル多色
用紙=三椏100%
銘版:大蔵省印刷局製造・財務省印刷局製造・国立印刷局製造の3種
Bank of Japan (Series D) 5,000 Yen
Portrait:NITOBE Inazo (Educator & Author of "BUSHIDO -the Soul
of Japan -"/ 1862-1933)
Back side:Mt.FUJI
Day of issue:1 Nov,1984
新渡戸稲造
日本銀行券 D 2,000円 (守礼門 2,000円)
平成12年7月19日発行
表面:守礼門(沖縄県)
裏面:源氏物語絵巻(「鈴虫」の詞書と絵図)と紫式部日記絵巻(紫式部)
版式:
表=凹版ザンメル2色+凸版レインボー多色
裏=凹版1色+凸版レインボー多色
用紙=三椏100%
大蔵省印刷局製造
Bank of Japan (Series D) 2,000 Yen
Front side:The SHUREIMON Gate (Okinawa Pref.)
Back side:The tale of Genji scroll & MURASAKI-SHIKIBU(Dates of birth and death are unknown)
Day of issue:19 Jul,2000
守礼門(沖縄県)
国宝「源氏物語絵巻 鈴虫 二」とD弐千円券の裏面描写比較
五島美術館 蔵
(五島美術館 発行「国宝 源氏物語絵巻絵葉書セット」より)
国宝「源氏物語絵巻 鈴虫 一」(詞書第一面)とD弐千円券の裏面描写比較
五島美術館 蔵
(五島美術館 発行「国宝 源氏物語絵巻絵葉書セット」より)
紫式部
紫式部像
紫式部が「源氏物語」を執筆した石山寺(滋賀県)の境内に、設置されている。
国宝・石山寺本堂(滋賀県)
紫式部が参詣中に、本堂中央紫の幕が設置されているスペースで「源氏物語」を執筆したとされる。
日本銀行券 D 1,000円 (夏目 漱石 1000円)
昭和59年11月1日発行
肖像:夏目 漱石(小説家 / 1867-1916)
裏面:丹頂鶴(タンチョウヅル)
版式:
表=凹版ザンメル2色+凸版レインボー多色
裏=凹版1色+凸版ザンメル2色
用紙=三椏100%
銘版:大蔵省印刷局製造・財務省印刷局製造・国立印刷局製造の3種
Bank of Japan (Series D) 1,000 Yen
Portrait: NATSUME Soseki (Novelist / 1867-1916)
Back side: Red-crowned Crane (Grus japonensis)
Day of issue:1 Nov,1984
夏目漱石
夏目漱石旧居(東京都文京区→愛知県「博物館明治村」に移築保存)
森鴎外の旧居でもある。この家に住んでいる間に「吾輩は猫である」を発表した。
桐 500円ニッケル黄銅貨
平成12年(2000)
Day of issue:** ***,2000
韓国発行「500ウォン白銅貨」(サイズ・材質が酷似。貨幣価値は50円程度)を改造し、日本国内の自動販売機・ATMから本物の硬貨を盗み取る犯罪が多発したため、旧500円白銅貨に代えて発行されました。
500円ニッケル黄銅貨と、表面に描かれている「桐の花」実物とのツーショット。皆さんが思っている以上に、でかい。
消費税の導入
平成元年4月1日の消費税導入に伴い、郵便料金も変更され、新しく62円・41円の普通切手が発行されました。
平成6年に郵便料金が値上げされ、封書80円・はがき50円になりました。深刻なデフレ不景気を反映し、その後20年間郵便料金は変更されませんでした。
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参考文献
日本貨幣商協同組合 編「日本貨幣カタログ(2012年版)」 日本貨幣商協同組合(平成23年)
大蔵省印刷局 編「大蔵省印刷局 写真で見る100年のあゆみ」 大蔵省印刷局(昭和47年)
大蔵省印刷局 編「大蔵省印刷局百年史(第三巻)」 (財)印刷局朝暘会(昭和49年)