日本領朝鮮 / Japanese Chosen

「韓國併合ニ関スル条約」(明治43年 / 1910年 / 隆煕4年)に基づき、大日本帝国は大韓帝国を併合しました。朝鮮半島には近代的な通貨制度がなかったため、日本は朝鮮銀行を設立し、銀行券を発行しました。


朝鮮銀行本店(朝鮮・京城)
日本銀行本店の建築家、辰野 金吾博士(1854-1919)による荘厳な建築である。当時の大日本帝国が、全力で朝鮮の近代化に取り組んでいたことが分かる。朝鮮戦争で外観を残して焼失。修繕されて現在は、韓国銀行貨幣博物館(韓国・ソウル市)となっている。

The Bank of Chosen


朝鮮銀行本店(朝鮮・京城)
上の写真とは別の角度から撮影されている。自転車に乗って移動する人々の様子が多く見られる。右端からは路面電車がこちらに向かって来るのが分かる。

THe Bank of Chosen



朝鮮銀行券 改造100円
昭和13年発行(1938)
「此券引換に金貨又は日本銀行兌換券百圓相渡可申候也」という記載があり、額面相当の金貨または日本銀行兌換券との交換ができることが、明記されている。
Bank of Chosen note 100 Yen
Day of Issue:1938






朝鮮銀行券 改造10円
昭和7年発行(1932)

Bank of Chosen note 10 Yen
Day of Issue:1932


裏面に描かれた旧朝鮮銀行本店(韓国・ソウル市)。



朝鮮銀行券 改造1円
昭和7年発行(1932)

Bank of Chosen note 1 Yen
Day of Issue:1932




朝鮮銀行券 甲100円
昭和19年発行(1944)
「此券引換に日本銀行兌換券百圓相渡可申候也」と表示され、金貨と交換ができる旨の記述が削除されている。表面は凹版印刷と多色刷り印刷が使用され、高額紙幣の品格を保っているが、裏面は平版2色刷りと印刷が簡略化されている。
Bank of Chosen note 100 Yen
Day of Issue:1944



朝鮮銀行券 甲5円
昭和19年発行(1944)

Bank of Chosen note 5 Yen
Day of Issue:1944

  

米軍統治下 / USAMGIK

大東亜戦争の敗北を受けて、昭和20年9月9日(1945)、朝鮮総督府はアメリカ軍に対して降伏しました。これを受けて、アメリカ軍は9月11日に在朝鮮アメリカ陸軍軍政庁( USAMGIK )を設置し、朝鮮半島南部を直接統治するようになりました。



連合国軍 A号円表示補助通貨 10円
昭和21年発行(1946)
表:彩文
裏:彩文
大日本帝国の敗北を見越した米軍は、2種類の円建て軍票を用意しました。
A円=我が国の在外領土
B円=日本本土
で使用することを想定していたといわれています。実際にA円は米軍統治下の朝鮮半島南部(現在の大韓民国)で、B円は主に米軍統治下の沖縄で使用されました。B円が昭和20年(1945)から昭和33年(1958)まで長期間使用されていたのに比べると、A円は昭和21年(1946)から昭和25年(1950)ごろまでしか流通しなかったため、現存数が少なく希少とされます。

Allied forces Millitary Currency 10 A-Yen
Day of Issue:1946
Obverse :
Reverse :



連合国軍 A号円表示補助通貨 5円
昭和21年発行(1946)
表:彩文
裏:彩文
Allied forces Millitary Currency 5 A-Yen
Day of Issue:1946
Obverse :
Reverse :




朝鮮銀行券 丙100円
昭和21年3月26日発行(1946)
Bank of Chosen note 100 Yen
Day of Issue:26 Mar., 1946



朝鮮銀行券 丁100円
昭和21年7月1日発行(1946)

朝鮮書籍印刷株式會社は、小学校教科書を印刷していた京城市内の印刷所。
Bank of Chosen note 100 Yen
Day of Issue:1 Jul., 1946



朝鮮銀行券 10円
昭和21年10月10日発行

Bank of Chosen note 10 Yen
Day of Issue:10 Oct., 1946

韓国建国後/1948-



朝鮮銀行券 未発行1,000円
未発行
※朝鮮戦争時に北朝鮮軍が韓国銀行金庫から略奪、市中に放出したため、正規の手続きを踏んで発行されていない。

Bank of Chosen note 1,000 Yen
Unissued


朝鮮総督府庁舎
大正15年10月1日落成(1926)。1995年に解体されてしまい、尖塔の一部を除き現存しない。


朝鮮ホテル


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31:台湾銀行券
Bank of Taiwan note

32:朝鮮銀行券
Bank of Chosen note

33:満洲中央銀行券
Central bank of Manchuria note
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参考文献
日本貨幣商協同組合 編「日本貨幣カタログ」(2012年版) 日本貨幣商協同組合(2011)
大蔵省印刷局 編「大蔵省印刷局 写真で見る100年のあゆみ」 大蔵省印刷局(昭和47年)
大蔵省印刷局 編「大蔵省印刷局百年史(第三巻)」 (財)印刷局朝暘会(昭和49年)
日本銀行調査局 編「図録 日本の貨幣(第10巻/外地発行の通貨 1)」 東洋経済新報社(昭和51年)
日本銀行調査局 編「図録 日本の貨幣(第11巻/外地発行の通貨 2)」 東洋経済新報社(昭和51年)
植村 峻「紙幣肖像の歴史」 東京美術(平成元年)
石原 幸一郎 編「日本紙幣収集事典」 原点社(平成17年)
石原 幸一郎 編「日本貨幣収集事典」 原点社(平成15年)
植村 峻「お札の文化史」 NTT出版(平成5年)
多田井喜生「朝鮮銀行 ある円通貨圏の興亡」 PHP研究所(平成13年)


朝鮮銀行券と関係する国

  • 1948年建国。旧朝鮮銀行本店庁舎は、韓国銀行貨幣博物館として、ソウル市の中心部に現存しています。

    韓国 / South Korea

  • 1948年建国。多数の日本人を拉致している。人民の困窮をよそに核ミサイルを開発している、悪逆非道の地域。

    北朝鮮 / North Korea

  • 日韓併合条約に基づき、1910年から朝鮮を統治。金融制度が未整備だったため、朝鮮銀行を設置。

    日本 / Japan